ECサイト運営の支援をはじめて約2年、月商100万円から月商3000万円を超えました。

中小企業のECサイトの売上を上げるため広告プロモーションの考え方を、実際の事例を紹介したいと思います。

ネットショップの売上アップ・広告施策の考え方

ECサイトの売上アップを狙う広告施策の考え方・やり方

支援開始当初は月商100万円規模

ネットショップが儲かる!ということで、ネットショップを開設する会社は多いのですが、売上が伸びず悩んでる通販サイトは多いんです。EC市場は着実に拡大をしている一方で、参入企業も多いので競争が激化している、といったところです。

今回事例にする企業も同様です。サポート開始当初はネットショップを開業してから月間100万円前後をウロウロ、たまに200万円を超える。一喜一憂するけど、売上のベースが上がらない通販サイトでした。

現在は月商3000万円規模

ECサイト運営のサポートしてから2年が経過、少しずつ売り上げを伸ばし月商3000万円を超えました!月商100万円から月商3000万円なので、約2年で売上30倍です。

広告施策というより、広告プロモーションの考え方…に焦点をあてて紹介したいと思います。

ちなみに、サイトは独自ECサイト(EC-CUBE)、専属社員1名+ぼくの2名体制で運営している通販サイトの事例です。また、Yahooショッピングや楽天市場などのショッピングモールに出店しているネットショップでは、広告プロモーションの考え方が異なるのでご注意ください。

月商100万円からはじめる広告プロモーション

月商100万円未満だと広告予算出しにくいですよね…わかります。特にネットショップを開業したばかりのところは。では月商100万円以下からどうやって広告予算を捻出し、ネットショップの売上を拡大していったのか、ポイントを押さえて解説します。

なぜ広告が必要か?

ネットショップを開業してもアクセス(サイト訪問者)はありません。ネットショップを開業しただけで売上げがつくれる時代は終わりました。名の知れた企業・ブランドであれば口コミで広がったりメディアに取り上げられてアクセスが増えることはありますが、そういうネットショップは一握り。99%のECサイトは広告費用を使ってプロモーションをしない限り、アクセスは増えませんし売上も増えません。

なぜ、ネット広告からはじめたのか?

端的にいうとネット広告は費用が安くて効果が高いからです。それに、ネットショップはその名の通りインターネット経由で注文を受付けるので、ネット広告で通販サイトに誘導した方が購入率が高いからです。(これ以上書き並べると広告代理店みたいな感じになるので、このあたりは割愛します。)

まずGoogle AdWordsから使い始めました。(AdWords広告は初期費用も固定費もかからず月額100円からはじめられます。)

広告を出す=売上が上がるではない

今は情報過多の時代。広告を出稿しないと集客できないけど、広告を出せば売れるという時代ではありません。ましてや今は手軽に誰でもネットショップを開業できる時代だから競争は激しいです。だからしっかりと考え抜いて、広告プロモーションを展開していく必要がある…ということです。

広告予算の確保と使い方(月予算20万円まで)

月商100万円未満の小規模ネットショップは広告予算がないところからはじまります。つまり広告予算の確保から…ですね。(広告予算が潤沢にある場合は読み飛ばしてください)

広告予算の捻出方法

新たにネットショップを開業したECサイトやネットに馴染みのなかった会社にとって、ネット広告費用はコスト増にしか見えないですよね。残念ながら。

ROI(投資対効果)が~とか、ROAS(売上高÷広告費用×100)が~とか、とか言っても通じないですし、費用対効果が高いと訴えたとしても、そもそも今まで広告費を使っていなかった会社にとっては単なるコストに過ぎません。

だからまず、お試しで月3万円くらい使わせもらいました。使った広告費に対して何倍の売上になったかというROAS(売上高÷広告費用)という指標で、200~500%くらい出すように調整しました。要は、広告費を出しても無駄にならない、費やした広告費よりも高い売上があることを実感していただきました。

費用対効果抜群のリターゲティング広告から出稿

リターゲティング広告というのは一度ウェブサイトを訪問したことのあるユーザーに対して表示する広告です。リマーケティングタグを仕込み、コツコツとユーザーリストを集めてから広告配信開始です。

広告を出すと、ちょっぴり効果が出る。広告費100円に対して1000円の売上があがる。常に費用対効果を数値で検証できるのがネット広告の特徴であること、売上拡大には広告施策が必要であることを理解してもらい、広告予算を徐々に増やしていただきました。と、まぁこんな感じで月3万円からはじめて月20万円くらいまではじわりじわりと進めました。

広告予算の使い方と注意点(月間予算20万円以上)

広告予算が月額20万円くらいに達したところで、広告予算の投下方針を変更しました。

広告予算が20万円以上になると何が変わるのか?

月間広告予算が10万円を超えるまでGoogleAdWord広告一本でした。(ネットショップの顧客層に合わせてYhaooプロモ広告からする場合もあります。)その後、広告予算拡大やターゲット拡大に合わせて、Yahoo!プロモーション広告、Facebook広告、Twitter広告と展開していきました。

このように、ネット広告だけでプロモーションをするのであれば、月間20万円くらいの広告予算があると広告プロモーションの幅を広げることができます。これは経験値に基づく感覚的な話なんですけど、やっぱり20万円くらいあると広告施策がやりやすい。

広告費用の最適化を目指すと、売上拡大が遅れる

ほとんどネットショップは広告の費用対効果を高めようとしますよね?でも、これ、一長一短なのです。広告費をできる限り抑えてプロモーションし売上を上げる。たしかにCPA(顧客獲得単価)やROAS(売上高÷広告費用)を追求していくと広告費用を削減できます。

しかしその一方で、一部で販売機会損失が生まれ売上拡大が遅れてしまうんです。売れる見込みの人ばかりにアプローチしていて、全くの新規客にアプローチしなくなりますからね。

月商100万円を月商200万円にする程度であれば広告費用の最適化を追求し続けてもかまわないのですが、もし売上を10倍・100倍にすることを目指す場合は、広告の費用対効果を求めすぎると売上拡大が遅れ遠回りになります。

徐々に、新規顧客の獲得に広告費を投下していく

ある程度の売上を確保できてきた段階で、あえて新規顧客の獲得に広告費を投下していきました。当然、新規顧客獲得になるのでリピート買い促進よりも広告の費用対効果が低下します。

短期的には費用対効果が低下するようにみえますが、中長期視点でみると費用対効果はよいはずです。クライアントからは費用対効果が悪くなった…と言われますが、「安心してください。ぼくを信じてください」で耐えました。

といいつつも、ぼく場合は自分でSEO対策をちょろろっと加えて売上が落ちないようにしました。担当を説得する資料を作成するよりも、真剣に広告施策を考えて結果を出すことに集中していました。

広告運用で注意した点

月商100万円・広告予算3万円からはじめ、月商3000万超・広告予算数百万円になる過程で注意したこと。どのクライアントに対しても注意していることをまとめます。

広告管理画面は自分で操作する

取り扱う商材、会社の知名度・イメージ、ターゲット顧客層などによって最適な広告は異なります。トライ&エラーを繰り返し、広告効果を肌で感じながら、その通販サイトの特性を感覚的に掴んでいくようにしています。

広告の配信時間帯

ネット広告は紙面広告に比べ圧倒的に安いけど、垂れ流しで広告配信してたらアッという間に予算消化してしまいます。通販サイトの場合、買われる時間帯と買われない時間帯がかならずあるので、買われる時間帯に集中投下します。つまり、1日の中でも配信する時間を制限しています。

広告配信の停止時期(配信期間)

基本的には広告出稿前から●日まで…と程度配信期間を決めて予算以内に収めるようにします。が、稀に想定を上回る費用対効果が続く場合があります。そういうのを把握するために、日次のCPAやROASの移動曲線を使ってます。具体的には、3日間と7日間の移動平均曲線がデットクロスしたら配信停止、ゴールデンクロスしたら広告配信量を増やすといった具合です。

クライアントとの信頼関係

広告で売上を拡大するテクニックはいろいろありますが、根底にあるのはずっと信頼をしてくれたからというのが一番の成功要因だと思います。「ぼくを信じてください」って相手からすると何も根拠がないですからね(笑)

その分、説得するために理屈を並べた資料を作る手間が省け、売上アップのことを考えることに時間を費やすことができた。それが成功要因になっているのは間違いないと思います。

ザッと書きましたが、広告プロモーションだけで月商100万円から3000万円へ売上アップを実現したわけではありません。出荷件数、問い合わせ件数、アクセス数の増加など、いろいろな変化に対応していきました。別途記事にしていきますので、ぜひご覧ください。