10秒以内にメッセージが消えるアプリ!
…に何の価値があるの? と思った方は要注意かもしれません。今、10代を中心に圧倒的に指示を集める「スナップチャット」というSNSがグイグイ伸びてきてます。日本でもね。
FacebookやTwitterなどの従来のSNSとは一線を画しているものとも言え、大いにビジネスとして活用できる可能性を秘めています。この記事では、そんな「スナップチャット」の特徴や使い方、ビジネスとして活用する方法などをまとめていきたいと思います!
スナップチャットの特徴
まず、そもそもスナップチャット(Snapchat)の特徴についてザックリとまとめました。
スナップチャットとは?
- ユーザー間がやりとりをするチャットアプリ
- 1億人のアクティブユーザーが存在
- 1日の動画視聴再生数が100億回超(2016年4月時点)
- 投稿動画や画像にはプリクラのようにちょっとした加工を加えることが可能
- 閲覧時間が終わった動画や画像は消えてしまう ←!!
5つ目の特徴こそが、スナップチャット(Snapchat)にしかない最大の武器なのです。
ユーザーが投稿する動画には、最大で”10秒”の閲覧時間が設定でき、一度ユーザーが動画・画像を開いたが最後……アプリからは消えてなくなってしまいます。
ユーザー間が動画や画像によってやり取りを行うチャットアプリであるにも関わらず、そのやり取りの足跡が勝手に消えてしまうなんていうのは欠陥機能とも思えてしまうかもしれません。
ですが、この機能があることによって、スナップチャットは多くの10代・20代に支持をされるようになったのです。
スナップチャットの人気の理由
https://twitter.com/yuyu33345/status/723699154958970881
「時間が経つと消えてしまう」システムこそが、若者に支持をされた理由だと前項では述べました。
なぜこのシステムが若者にウケたのか?…自分の投稿に対する、他人の評価を考えずに済むというメリットが生まれたからです。
従来のSNS、たとえばツイッターやFacebookであれば、自分が投稿したメッセージや写真などはタイムラインに残り続け、誰かからの「いいね!」や「コメント」などの評価を受け続けることになります。
しかし、スナップチャットでは自分の投稿はすぐに消えてしまうので、他者からの評価を受け続ける心配が全くありません。
「どうせすぐに消えるのだから」という安心感を持って、素の自分を晒した動画や写真をやり取りすることができるのです。
犬などの加工機能が楽しさを増幅
https://twitter.com/soyo_kp/status/727456415753752576
https://twitter.com/Oha_Rikopin/status/723116490317139968
テキストやスタンプによる加工機能も、メッセージの自由さや楽しさを増幅させています。
メッセージの送り手は「どんなメッセージを、どういう風にカスタマイズして送ろうか」と楽しいことだけに自由に集中できる楽しみがあり、
メッセージの受け手には、「自分に写真を送ってくれたんだから、受け取った内容を忘れないうちに返信をしよう!」「私も楽しいメッセージを送ろう!」という心理が働いて、自然とすぐに送り手となってしまいます。
送り手と受け手が短時間で交互に入れ替わる様は、もはやリアルなおしゃべりです。この気楽さこそが、若者に大いに支持された理由です。
特徴的な機能
スナップチャットには「消えるSNS」という軸を活かした機能が他にもあり、
- やり取りのスクリーンショットや、一度のみのリプレイ
- ストーリー機能
- ディスカバー機能
というものがあります。
やり取りのスクリーンショット
スナップチャットでは例外的に、「スクリーンショットを撮る」「リプレイをする」という形でやり取りを蘇らせることができます。
どちらの機能も使えば相手に通知が届きますし、リプレイに関しては課金でリプレイ可能回数を増やせたりします。(日本版では課金未実装)
ストーリー機能
この機能を有効にした写真や動画は、24時間以内であれば特定の友人にのみ閲覧をさせることができます。
つまり「ある特定の投稿のみを、見せたくない友人以外に見せる」という使い方が出来るのです。
「Our Story」という拡張版の機能もあり、ある特定のイベントに対して、参加者全員が写真や動画を投稿してストーリーを作り上げていくことができます。
その場にいる人のみが、イベントのストーリーに対して投稿ができるので、現地の生の目線を参加者全員で共有することが出来るほか、外の人間もイベントアカウントをフォローすればストーリーが閲覧できるので、現地にいるような感覚を味わえます。
スナップチャット運営が注目するイベントは、「ライブストーリー」という形で、特定アカウントをフォローすることなく、ユーザーの誰もが閲覧をすることができます。
ディスカバー機能
これはスナップチャット側と契約をしているメディアが投稿するストーリーを閲覧することができる機能です。
各メディアが発信する個性あるストーリーは、ユーザーとのやり取りとはまた違った面白さがあります。
実際のビジネス活用例
さて、だいたいスナップチャットのことが分かったところで、いよいよ、実際にはどのような使い方でビジネスに活用されているのかを見ていきましょう。
どれだけお得になるか分からないクーポンの配布
これは海外のフローズンヨーグルト屋さん「16 Handles」による、活用例です。
方法は単純。
商品を食べている写真を送ってきたアカウントへの返信としてクーポン画像を送るのみです。画像は開いてしまうと当然消えてしまうので、何割引か分からないワクワクを持たせて再来店を促すことができます。
新商品をちょっとだけお披露目
これは若者向けファッションブランド「Rebecca Minkoff」が行った例。
ファッションショー前に新作の服を少しだけファンに見せることによって、期待感を上昇させ、イベントを盛り上げることに成功させました。
知ることの無い裏側をユーザーに公開
これは「マクドナルド」が行った事例で、CMに出演した有名人の舞台裏の姿を写したものを投稿し、注目を集めたうえで新商品の紹介をするというものです。
作り込まれたディスカバー動画とは対照的な、手作り感溢れる面白いコンテンツでユーザーに親近感を持たせることによって、商品紹介を受け入れやすくすることができました。
その他・Snapchatを活用している企業
- ニュースメディアの「Chat Sports」
- イギリステレビ局の「MTV UK」
- ファッション通販サイト「PixieMarket」
など多くの企業・メディアもプロモーションの一環としてスナップチャットを活用しています。
まとめ
海外では様々な企業がスナップチャットをビジネスに活用し、多くの若者へワクワク感を提供しております。
スナップチャットを使う事で企業が、心理的にオープンなやり取りを擬似的にお客様と交わすことができるのです。
今後のビジネスでは”瞬間的なコンテンツであること”を逆手に取ったアイデアが勝負を分けるかもしれません。