月間アクティブユーザー数(MAU)が5億人(2016年6月)と、今やtwitterを超えるユーザー数を誇るInstagram(インスタグラム)。ところで皆さんは、インスタグラムをどれくらい活用されていますか?

「Instagramってカメラアプリのことでしょ?」「写真SNSでしょ?」と思っている方は、もしかしたら今回の記事でインスタグラムの有効な使い方を学ばれると良いかもしれません。

。──というのは、インスタグラムは現在、カメラアプリやSNSとしてプライベートの友人・知人たちのつながりを持つといった使い方だけでなく、多くの企業において自社のマーケティングやブランディングにも活用されているのです。

インスタグラムがどのようにしてここまで幅広いシーンで使わるようになったのか?
今回はこのインスタグラム(Instagram)について、その魅力・人気の秘密やユーザーの使い方について説明したあと、企業のマーケティング事例について紹介していきたいと思います!

(長文になりますので、時間のない方はブックマークしておいてください。)

インスタグラムってなに?

企業のマーケティング事例を紹介する前に、まずインスタグラムの基礎知識について説明します。

Instagram(インスタグラム)とは、写真を撮影、加工、共有できるスマートフォン向けSNSアプリです。無料でダウンロードできるということと、モデルや芸能人などの有名人の方々も多く利用されていることから、若者、特に女性を中心に急激に利用者数を伸ばしています。

現在は全世界で5億人の月間アクティブユーザーがおり、更には1日に8,000万枚以上の写真を投稿されている(2015年9月発表)ということですので、その人気たるや蒼々たるものと言えるでしょう。

月間アクティブユーザーの推移

  • 2013年02月:1億人突破
  • 2014年03月:2億人突破
  • 2014年12月:3億人突破
  • 2015年09月:4億人突破
  • 2016年06月:5億人突破

ちなみに、日間アクティブユーザー数は3億人を超えで、ユーザーの8割は米国外在住。ツイッターの月間利用者は3億1000万人。

インスタグラムの基本的な特徴としては、以下の3点が挙げられます。

  1. 撮影した写真を簡単にお洒落に加工できる
  2. 加工してUPした写真を、気心の知れる仲間と見せ合える
  3. facebookやtwitterとの連携も簡単 多くの人に自分の写真を見てもらえる

撮影した写真を簡単にお洒落に加工できる

インスタグラムには複数の写真加工用のフィルターがデフォルトで入っており、簡単に撮影した写真でもおしゃれなものに編集して投稿することが出来るのです。

編集画面ではプレビューを見ながらフィルターを選択できますので、加工後の写真がどのような仕上がりになるかをあらかじめ確認しながら編集することが出来ます。

加工してUPした写真を、気心の知れる仲間と見せ合える

インスタグラムが写真アプリの魅力としてだけではなく、SNSとしての魅力も備えている、ということにも繋がる内容です。

多くの知人・友人がインスタグラムを利用することによって、私たちは日常から様々な美しい写真や親しみ深いシーン画像を閲覧することが出来ます。

facebookやtwitterとの連携も簡単 多くの人に自分の写真を見てもらえる

全世界の主要SNSにてインスタグラムの画像を紹介することが出来るのです。これだけ利用、活用シーンが広がるとなると、インスタグラムがここまで活性するのもわかるような気もしますよね。

また、「写真画像をちょっと加工してUPすれば完了」といった手軽さも多くの人から支援される要素と言えるでしょう。

最近は「Facebook離れ」という言葉も耳にしますが、文章を入力しなくてはいけない、読まなくてはいけない、といった風な文章メインのSNSよりも、写真画像をメインとしたSNSのほうが、より直観的、感覚的にコミュニケーションを楽しめるというのは、他のSNSにはないインスタグラムの大きな特徴と言えるでしょう。

 

消費者のインスタグラムの使い方

では、次にインスタグラムがどのように使われているか?マーケティングやブランディングに活用するためは、消費者がどのように使っているかをしっかり把握しておくことが重要ですよ。

さて、そんな大人気のInstagram(インスタグラム)ですが、以下のような使い方も出来ることはご存知でしょうか?

  1. 美味しそうな飲食店を探す
  2. 観光地の事前に調べる
  3. 画像で確認したい調べものをする
  4. 「癒されたい」「楽しい気分になりたい」そんな感情目的別に画像を探す

「なんで写真を加工してSNSで共有するインスタグラムに上記のようなことができるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃいそうですので、ひとつずつ順にご紹介していきたいと思います。

美味しそうな飲食店を探すことが出来る!!

実は、インスタグラムの画像検索では、スポット機能といって、位置情報の登録された画像を対象に、今いる所から近い場所で撮影された画像を中心に検索することが出来るのです。

たとえば、「ラーメン」というキーワードでスポット検索を行うと、近くのラーメンショップ名がずらりと出てきて、更にそのショップをクリックすると他のユーザーがそのお店で撮影されたラーメンの美味しそうな画像が沢山出てくるのです。

多くのユーザーは、「このお店美味しいな」と思ったお店でメニューの撮影を行いますので、多くの写真が投稿されているお店程、お薦め度が高いということが伺えますよね。更には、撮影されている画像の美味しそうなことといったら!
一つの写真画像は、文字数に換算すると1,000文字から3,000文字ほどの情報量を持つと言われています。下手な紹介・推薦文よりも、美味しそうな画像一枚の方が情報として的を得ているということもあるということですね。

観光地の事前調査も!

インスタグラムで食べ物と同じくらい多く活用されているのが、旅先──観光地での写真投稿です。

こちらは単純に、画像検索にてお目当ての観光地の地名を入力して検索してみましょう。その観光地に素敵な風景が多く人気があるほど、たくさんの画像を見つけることが出来るでしょう。

インスタグラムで検索される画像は新着順に表示されますので、最新の観光地の情報を入手するうえでも有効です。

画像で確認したい調べものの検索に!

インスタグラムは写真だけでなく動画を投稿する機能も付いたのですが、これによって様々なハウツー動画がインスタグラムに投稿されるようになりました。

例えば、「筋トレ」や「フィットネス」で検索してみてください。沢山の筋トレ方法、フィットネス方法を紹介している動画や画像が表示されることでしょう。

少しだけ中~上級向けの検索になると、「デニムパンツ」「コーディネイト」で、デニムパンツをどうコーディネイトするか、などのファッションの調べものにも活用が出来ます。

「Googleの画像検索でも出来るんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、是非インスタグラムとGoogle画像検索の結果画面を見比べて頂ければと思います。

──インスタグラムの方はより一般ユーザー向けのリアルな、かつオシャレさも意識された身近に受け止めやすい画像が多く表示されます。

「癒されたい」「楽しい気分になりたい」そんな感情目的別に画像を探すことも!

インスタグラムには「ハッシュタグ」と言って、投降した写真を分別していく為のタグ付けをすることができます。

ハッシュタグは先頭文字に「#」を付けて、その後に分別用の単語を続けて設定します。いくつか有名な(多くの人が良く使う)ハッシュタグをご紹介しましょう。

#smile(ハッシュタグ)
笑っている人が映っている写真に付けられるハッシュタグです。見ているだけで癒されます。

#love(ハッシュタグ)
その名の通り「愛」に関する写真に付けられるハッシュタグです。恋人や家族の写真が多いです。

#beautifle(ハッシュタグ)
美しい人、風景の写真に付けられるハッシュタグです。感性の刺激を求めているときなどに。

その他にも、以下のようなハッシュタグがあります。思わず見とれてしまうものから、クスッと笑ってしまうものまで、ちょっとした暇つぶしの時間にも最適です。

是非、皆さんのお好みのハッシュタグを探してみてください。

癒されたいときにお薦めのハッシュタグ
#癒し #癒されたい #心が洗われる #つぶらな瞳 #ペット  #smile #親ばか部(子供好きの方)

楽しい気分になりたいときにお薦めのハッシュタグ
#おもしろい #かめはめ波 #マカンコウサッポウ #進撃の巨人 #変顔

──その他にもたくさんの人気ハッシュタグがあります。是非、色々探してみてください!

マーケティング事例・ブランディング事例

さて、本題のマーケティングやブランディング活用の事例です。

これまで紹介してきたように様々な活用シーンのあるInstagram(インスタグラム)ですが、実はビジネスシーンにおいても、主にマーケティング分野において多くの企業がインスタグラムを活用したプロモーションやブランディングを行い、売上を伸ばしています。

では企業がどのようにインスタグラム活用事例をご紹介していきましょう。

温かみのある投稿で、5万9千人のファンを獲得した京都のパン屋の事例

まずはじめにご紹介する事例は、京都にある天然酵母のパン屋さん、「CHIPPRUSON」。

とてもお洒落で落ち着いた雰囲気の様々なパンの写真やお客様のパンを満足そうに食べる写真など、投降画像がが何と4,000件以上もあり、随時更新されているのです。

そして、一店舗ながら集まったフォロワー数はなんと5万9千人!一店舗の飲食店としては十分すぎるほどの周知度です。

更には、ブログから直接メールを貰うことで通販にも対応しているということで、ブランディングだけではなくマーケティングとしても活用できているということですね。

洗練された写真画像の公開と、お客様との温かみのあるコミュニケーションをインスタグラム上で行っての成功事例でした。

ファンからの投稿を最大限活性し、400万人への周知に成功した米国ヨーグルトブランドの事例

つづいての事例は、米国のギリシャヨーグルトメーカー「Chobani」。
こちらのメーカーが誕生したのは2007年でしたが、その当時ギリシャヨーグルトは米ヨーグルト市場でわずか2%という割合でした。

ですがその後、国民の健康志向の高まりに合わせて人気が高まり、今では36%を占めるカテゴリーへと成長しました。その成長に、インスタグラムのマーケティングが一役買っているのです。

Chobaniでは、あるとき自社のファン層の人々が「#Chobani」というハッシュタグを使って、自分たちの美味しいギリシャヨーグルトのレシピや食べ方を紹介し合っていることに気付きました。

つまり、他のヨーグルト好きな人にchobaniを推奨したり、自らブランドとつながろうとしているコアなファンがインスタグラム上にいることがわかったのです。

そのことをヒントにChobaniは自社のファンが商品を使った投稿があったときに自社メディアでも紹介するという、いわば、ブランドのファンとつながること、新たなchobaniの楽しみ方をファンとともに創っていくことを目的としたインスタグラムマーケティングを実施しました。

また、インスタグラム内にChobaniを宣伝するための広告出稿も行いました。

その結果、米国内だけで400万人へのリーチが実現され、更には「ヨーグルトは朝食べるもの」という米国人のヨーグルトに抱いていたメンタルモデルを、「ランチやカフェタイムでもヨーグルトを食べよう」といったものに替えていったのです。

Chobaniはファンの人たちが使用していたハッシュタグをうまく活用し、かつファンの人たちの投稿を活性させる仕組みを作ることにより、大きなマーケティング効果を獲得することが出来た、ということですね。

特有のハッシュタグと若者達の自己表現欲求を活用し、商品認知度を大幅UPさせた自動車メーカーの事例

「ブランド力の最も高い自動車メーカー」といえば、メルセデス・ベンツを挙げる方は多いのではないでしょうか。

その格調高いイメージゆえに、若手の新規顧客の獲得に課題を抱えていた米国メルセデス・ベンツ(Mercedes Benz USA)は、ブランドイメージ刷新を図るリブランディング戦略に着手し、その際にインスタグラムを活用した事例です。。

自己表現欲求の強い若手世代の参加を促すクリエイティブを検討する中で、メルセデス・ベンツは当時流行していたインスタグラム特有のハッシュタグ「#ThingsOrganizedNeatly」を見つけ、この流行に重ねられないかといった検討を始めます。

若いInstagramユーザーは、このハッシュタグを付けた写真を投稿しながら、自身の個性やクリエイティブセンスをアピールしていたのですが、これをヒントに、メルセデス・ベンツはGLA車の荷物を置くスペースを、アイテムを並べるマットに見立て、自由に物を並べた写真を募集するアイデアを生み出したのです。

結果、狙いは見事的中し、一般人から著名人までの多くのメルセデス・ベンツファンがこのときに企画された投稿キャンペーンに参加し、これまでのInstagram、facebook経由ユーザーの数は54%も増加しました。

こちらのケースは、流行のハッシュタグと、若者の自己表現欲求、及び自社ブランド力を組み合わせて、バズ・コミュニケーションを最大限活性させた見事なマーケティングアクションであったと言えます。

Instagramまとめ

さて、ここまでインスタグラムの概要から、ビジネスシーンも含めた様々な活用方法・事例を紹介させていただきましたが、如何でしたでしょうか?
 
「インスタグラムはユーザーという作家のwebギャラリーだ」と表現された人がいましたが、たしかにInstagramユーザーの殆どは自身の投稿する写真に一定の愛着と、そしてこだわりを持っています。

そして、だからこそ様々な人が様々な思いで投稿されるインスタグラムは、多くの人から気に入られ毎日参照され続けているのでしょう。

多くの人がインスタグラムに投稿する写真に一定の愛着とこだわりを持ち続けることによって、Instagramはきっとこれからも、新しい使い方、活用シーンが出てくることでしょう。

そして、そのときの活用シーンの中心にいるのは、もしかしたら未来のあなたかもしれません。