ネットショップの販売予測…しっかりできていますか?

実は意外とできていない、していないネットショップサイトが多いんです。この記事では、具体的な販売予測の立て方、広告プロモーションへの活用方法など事例を交えて説明します。

ECサイト月商100万円から3000万までの売上アップ事例

小規模ネットショップでも販売予測がとても重要なんです!販売予測が上手くできなかったら、これほどの短期間で売上を伸ばすことはできなかったと思います。

ネットショップの売上と粗利の推移

この記事では「販売予測」に焦点をあてて説明します。広告プロモーションやSEO対策については下記の記事で詳しく書いていますので興味のある方はそちらをご覧ください。

参考
[SEO対策事例]通販サイト月商100万円から3000万円
[広告施策の考え方]通販サイト月商100万円から3000万円

販売予測が重要な理由

ネットショップを拡大させるにあたって販売予測は重要です。売上拡大を目指すなら絶対にするべきです。ざっくりわけると以下3つです。

販売機会損失で売上拡大が遅れる

ネットショップの売上は注文をいただいて商品を届けなくては売上になりません。広告プロモーションやSEO対策でネットショップの訪問者数が増え、商品が売れるようになってきても、販売できる商品がなければ売上にならないのです。

欠品していて売れない、在庫を確保できないという事態がおこれば販売機会損失が発生してしまい売上拡大のスピードも落ちてしまうわけです。もれなく顧客のリピート率が下がるというおまけつきです。

在庫が余ると事業の収益性が低下する

在庫が余ってしまうと処分しなければなりません。値引き販売で在庫を処分できる会社であればまだよいのですが、値引き販売をしてはいけない会社もあります。いずれにしても、在庫リスクを可能な限り低減した方が収益性が高くなります。究極は受注生産ですね。

先行投資の判断に使う

儲かってから投資するのが理想ですが、時には攻めの姿勢で先行投資をしなければなりません。売上拡大を重視するのであれば、ネットショップのシステムを強化する、サイトデザインを改善する、広告を出稿する…これらに先行投資していく必要があります。

エクセルを使って販売予測を立てる方法

ここで紹介するのはExcel(エクセル)とGooleアナリティクスがあれば誰でもできる内容です。

まず、商品毎に時系列に累積数で並べる

注文データを分析しました。どの商品が、いつ、いくつ売れたのか…これを商品単位で把握します。ポイントは注文受付開始日から何日間でいくつ売れたのかをしっかりと把握しておくこと。

そして○日後に1日目の何倍売れているかを算出し係数を算出します。下図の場合は、30日後は1日目の3.4倍になっていると算出できます。
エクセルを使った販売予測の立て方1

次に、1日目のアクセス数と注文数をまとめる

Googleアナリティクスを使いました。注文受付開始日(1日目)にその商品詳細ページの何回閲覧されているかを把握します。商品によってかなりバラツキがでるはずです。さらにここで、「注文数÷アクセス数」を購入率と定義します。
エクセルを使った販売予測の立て方2

1日目の注文個数から累積販売数を予測する

1日目の注文個数にさきほどの係数をかけると販売個数を予測できます。たとえば、商品X・商品Yの30日後の販売予測数は、下図のようにシミュレーションすることができます。

エクセルを使った販売予測の立て方3

購入率を加味して予測精度を高める

過去の注文データがあれば類似商品の販売予測はできます。でも、訪問者(アクセス数)が多かったからたくさん売れた可能性も考えられますよね?だから単純に「注文個数」という1つの軸だけで予測するのは危険です。

エクセルを使った販売予測の立て方4

上図の場合、別の視点(購入率)でデータを比較しました。商品Yはたくさん売れていますが購入率が低いですよね?

注文数が多い要因はアクセス数が多いからと考えられます。逆をいれば、商品Yはアクセス数が減った場合、突然売れなくなる可能性も秘めている…と捉えることができるわけです。

指標を増やせば予測精度がアップする

上記で紹介したのは非常にシンプルなやり方です。実際には商品自体の注目度、流行、ボーナス時期…いろいろな変数を統計学を駆使して、もう少し精度の高い販売予測モデルを作りました。(でも基本は同じなので深追いし過ぎなくて大丈夫です。)

販売予測をした結果や効果

注文受付開始3時間で最終販売個数を誤差±30%くらいで予測できるようになりました。24時間で誤差±20%くらい。5日間の状況で100日後の累計販売数をドンピシャで当てたこともあります。

在庫リスクが減って収益性が上がった

販売の予測精度が高まるにつれ、在庫が余らなくなり破棄する必要もなくなりますね。すごく地味なのですがモノを販売するネットショップにおいては収益性に直結してきました。

広告の強弱で売上の最大化

注文開始の初動を確認すると注目度が高い!売れる!とみたら、一気に広告プロモーションを強化していました。一方、思ったよりも売れないとわかると広告プロモーションを縮小してました。

分析部門と販促部門が分断していたり、予算・計画ありきで広告プロモーションをしていると、このような臨機応変な対応は難しいかもしれません。広告施策の考え方については下記の記事を詳しく書きました。
参考[広告施策の考え方]ECサイト月商100万→3000万円までの売上アップ

クライアントからの信頼度が増した

これまで感覚的に決めていたものが、数値化・可視化でき根拠のある予測ができるようになったことで、ぼくに対する信頼度が一気に高まりました。

そうなるとプロモーションやSEO対策、システム改修の提案を受け入れてくれやすくなるわけで。間接的に売上拡大につながったと感じています。

販売予測の注意点

販売予測というと、市場規模や人口分布から算出したりしますよね。なんかかっこいいですし。大手通販であれば、そういう販売予測も効果的ですが、小規模ネットショップの場合は机上の空論になりがちです。誤差が大きすぎるし、使い物になりません。

ネットショップのデータは宝の山

ネットショップを運営しているのであれば、売上改善・売上アップのヒントは内部にあります。ネットショップは注文データやアクセスデータ、顧客データ…ぜんぶ揃っているんです。

外部にあるマクロなデータを使うよりも自社内部で持っているデータを活用した方が、収益性を高められますよ。